自己啓発セミナー関連本

ここ数週間(山に篭っていた5日間を除くw)ずっと読んでた本をご紹介。なんかのご参考まで。かなりの部分、ここに挙げられているものとかぶっています。

※追記(20051014)
「ランドマークエデュケーション」で検索しに来る人が結構いるみたいなのでひとこと追記。
下記を読んで勘違いする人はまずいないだろうから蛇足ではあるのだろうけれど、僕自身はランドマークのような「自己啓発セミナー」には強力に否定的な立場でおります。自己啓発そのものは悪くないけど、この類のセミナーに大金はたくのは是非おやめなさい、と申し上げる次第です。

自己啓発セミナー関連】

まずは実態を知ろうと思い手にした本。ランドマークのブレークスルー・テクノロジー(BT)コースの体験記があり大変貴重(ウェブ上ではここに別の体験記がある)。
ただ、良くも悪くも「赤旗」連載記事だったということで、随所に左巻きな記述があり個人的にはアレな感じ。特に最後の方は「企業=悪」のお決まりのスキームが前面に出てきており激しくアレです。そこを読まなければすごく良い本。

【マインドコントロール関連】

名著と言って良いでしょう。必読です。読み物としても大変興味深い。BUNTENさんによるまとめもどうぞ。
ちなみに原題は「マインドコントロールと闘う」。どうしてこういうセンセーショナルなタイトル付けるかなあ。

  • 「影響力の武器」ロバート・B・チャルディーニ(ASIN:4414302692

この本も名著。必読。学生時代に読んだのを再読(本棚から発見できなかったので再購入しちゃいました)。
改めて読んでみて、この本に記述されているテクニックを普段結構使っていることに気付きました。話しているときにジェスチャーを相手に合わせることで親密感を表現するとか、相手に要求を飲ませるためにまずはこちらが譲歩するとか。使いようによってはかなり実践的になり得る本です。

上記2冊や心理学の論文等から、マインドコントロールで使われているテクニックを解説している本。ハッサンの本にも同様の記述があるけど、こちらは心理学の実験の例を用いて説明しており、それはそれで興味深い。巻末の参考文献リストが充実してます。

NLP (Neuro Linguistic Programming)の開祖の講演録。これも昔に買った本。読み物としても面白いです。お勧め。


自己啓発本関連】

いわゆる自己啓発本って馬鹿にしてて読んだことなかったんだけど、良い機会なので元祖の2冊(フランクリンとカーネギー)を読んでみた。
いやーこの自伝は面白い。高橋是清の自伝(上・ASIN:4122003474、下・ASIN:412200361X)に勝るとも劣らない面白さ。必読です。
日記書き始めて付いた悪い癖に、気に入った記述があるページの隅を折る、というのがあるのだけれど、この本はほぼ毎ページで隅を折らないといけない。たぶん今後何度も読み返すことになるでしょう。
ちなみに、今はこの本からの連想でヴェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(ASIN:4003420934)を読んでたりして。その後(順序は逆になっちゃったけど)トクヴィルの「アメリカの民主政治」(ASIN:4061587781)へ行こうかなと。「福翁自伝」(ASIN:4003310225)も気になるところ。

自己啓発本元祖の1冊。この手の本は馬鹿にしていたのだけれど、思った以上に面白い。これも今後何度も読み返すことになるだろうな。

この本のメッセージは単純で、要するに「誰に対しても、大好きで尊敬している人に接するように接しなさい」というだけのことなんだけど、それを具体的な例を沢山用いて説明されるとやはり説得力がある。この本には、人とうまくやっていくための知恵が沢山詰まっている。出来る出来ないは別として(笑)。

フランクリンの自伝もそうだけど、この本も功利主義的なにおいがするので拒絶反応を示す人がいそうだなあ。でも、いくら気持ちが高潔でも、行いがついて来なかったらしょうがないもんね。自分ひとりで行えることに限りがあるのは明らかなので、何かを成そうと思ったら人を動かす他道はない。

そもそもそれ以前に、動機が功利的であれなんであれ、人とうまく付き合うことができればそれで良い、と僕は思うのだなあ。ってこういう考え方が功利主義的ですかそうですか。わはは。

古い本なので確かに例が古すぎる面もある。アルバート・フォールのティーポットドーム油田疑獄なんて今じゃアメリカ人でも知らない人の方が多いんじゃなかろうか(僕はたまたま石油の世紀(ASIN:414005168X)を読みかけだったので記憶に新しかったけど)。

でもここに書いてあることは普遍的なことで、ヒトがヒトである限り、いつの時代にも通用することばかりだろう。僕と同様、この手の本を馬鹿にしてた人はちょっと読んでみることをお勧めします。

id:gachapinfanさんが紹介してた本(いつも面白い本ばかりで積読が増える一方ですw)。「自己啓発本」扱いしちゃったら怒られるかな。

タイトルは大仰だけど、要は「クリティカルシンキング」、つまり批判的に考えるための手引書です。必読。でも、著者は英米系の分析哲学の人なので、大陸系のアレな「哲学」を期待される向きにはお勧めできないかも。そんなことないか。わはは。

この本で提唱されている「ほどよい懐疑主義」には激しく賛同したい気持ちでいっぱいです。すべてを疑って何も動けなくなったり、また答えようがない愚問に答えようと時間を無駄にしたりしないためには、文脈に依存した「ほどよい懐疑主義」的立場は大変有効と思う次第。

判断が文脈に依存する、ってことはその場その場である意味言ってる事が変わってくるわけで、これは「良いイイカゲンさ」のわかりやすい定義ではないかとも思う(これの反対が文脈非依存、つまり理念的・教条主義的、ってことだもんね)。

また、科学技術等の事実に関する判断だけでなく、価値主張(規範的主張)についてもクリティカルシンキングが有効、という例として「生きる意味」を取上げている(第4章)点も個人的にはタイムリーで面白かったな。

文章がとにかく明晰で読んでいて気持ちが良いのもポイント高いです。こんな文章を書けるようになりたいなあ。時々顔を出すそこはかとないユーモアも上品ですごく良い。

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