「国債と金利をめぐる300年史 英国・米国・日本の国債管理政策」(ASIN:4492620613)

この本で言う「国債管理政策」ってのは、良くある長期金利を人為的に低く抑えるためにどうのっていうアレな話ではなく、ちゃんと財政をコントロールしたり、市場と対話してサプライズを減らしたり、国債市場の流動性に配慮したり、中央銀行はちゃんと貨幣価値管理を行いましょうだったり、とかなり普通な話。

前半1・2部の、イタリア、オランダ、英国、米国の国債管理政策の歴史はとっても面白い。その前半と比べると、第3部の「日本経済の歩みと国債管理政策」は金融論のおさらいみたいな感じだけどちょっと物足りないし、4部の「わが国の国債管理政策の進展と課題」も国債市場のすごーく細かい話が沢山読めるのだけどやっぱりちょっと物足りない感じ。

あ、あと全体を通じて、デフレをあんまり重視してない感じがしたのでそこもどうかなあと。まあでも金融に関する話が好きで歴史が好きな人にとってはお勧めです。