「知」の欺瞞―ポストモダン思想における科学の濫用(ASIN:4000056786)

やっと読了。ラカンとかドゥルーズ=ガタリだとかの長い引用を除けば(笑)、極めて読みやすい、楽しい本。そして中学か高校の時に読んだら楽しいだろうけど、ある意味、30歳を過ぎたらあんまり必要ない本でもある。わかってる人にはもうわかってる話だし、一方、既にはまっちゃってる人は今更何読んでももう引き返せないだろうから、どっちにしても必要ないのだ。南無南無。
僕がこの本を読んで思ったことは3つ。ひとつは、中高時代、ポストモダンにはまるほど頭が良くなくて本当に良かったなー、ってこと。これは真剣にそう思った。時間の無駄である以上に、考え方の考え方にかなりのダメージを被っていた可能性がある。あーバカでよかった。
ふたつめは、数式がちゃんと読めたり、背景にある知識を理解したりすることは本当に重要で、そうでないとかなり危険だな、ってこと。最初のラカンの項で出てくる「コンパクト性」に関する注釈が、ラカンが書いた文章と同じくらい意味がわからなくて笑ってしまった。僕の場合、経済学の話を読むときに表面的な理解で済ませてしまっていることがよくあるので大いに反省。気をつけよう。
最後は、この本に出てくるようなポストモダン業界って、意味のない引用ばかりと揶揄されるウェブの日記とかブログとかみたいだなあ、ってこと。ホントに似てて笑ってしまう。ご苦労さまだなあ。大いなる寄り道だった、って笑える日が早く来ると良いですねー。わはは。
さて、やっと仕込みが終わったので(と言っても先立って3〜4冊読んだだけだけど)、いよいよ「経済学という教養」(ASIN:4492394230)に取り掛かることにしよう。わくわく。