最近読んだ本 その8 (主に)昭和天皇編(1)
ということで最近はどうもぼんやりしながら本を読む日々。ってぼんやりしてるのは昔からですかそうですか。でもこの季節本当に苦手なんでいつにも増して激しくぼんやりしてるのですよ。つらいなあ。
で気付いたら昭和天皇関係で20冊くらい本を買い込んでしまったような気がする。もうなんというか昭和史ってのは文献が多くて一次資料だけでも片手間で読んでたら2回くらい生まれ変わらないと読みきれないような気がしてきた。早く引退してビール片手に文献整理して年表を作る日々を過ごしたい(@南の島で)のだけどそんな日は訪れるのだろうか。うう。
毎度のことながら内容忘れてしまっているのでメモだけ。他にもこれ嫁とかあったら是非お知らせいただけると幸いです。
- 作者: 阿川弘之
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1973/03/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 阿川弘之
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1973/03/01
- メディア: 文庫
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おすすめ。前回の最後に書いたように、少々半藤一利にアテられてしまい海軍と昭和天皇が好きになってしまったのでとりあえず読んでみた。
噂にたがわぬ名作。この時代に興味がある人は読んで損なしです。
ただまあなんというかキレイに書きすぎてるんじゃないかなあという気はしなくもない。天邪鬼ですかそうですか。個人的には真珠湾奇襲は(宣戦布告が遅れたという不手際を除いても)やらない方が良かったと思いつつあるので、ちょっと複雑な気分になりました。
阿川弘之の海軍提督三部作はこれだけで良いやと思っていたのだけれど、「井上成美」のハードカバー版が本棚から発見されたので、この間つい「米内光政」も買っちゃいました。そのうち読む所存なり。
- 作者: 半藤一利
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/07/07
- メディア: 文庫
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激しくおすすめ。なんだかんだ言いながら半藤一利の書いたものは面白い。
1945年、8月14日正午から翌15日正午までを1時間毎に章分けして描いたもの。既に映画化されているようだけれども(asin:B0007W7GPS、今度見てみる予定)、誰か例の米国TVドラマ「24」の手法でリアルタイム進行で作りませんかねえ【無理を承知でsvnseeds】。
前回にも書いたけれども、阿南陸相の扱いから受ける印象が山田風太郎の「同日同刻」(asin:4480422471)と正反対なのが面白いところ。個人的にはまだこの点について評価ができるほど知識がないのが残念。
- 作者: 河原敏明
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/07/10
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昭和天皇について知りたいときに最初に手に取る本としては手ごろで良いのかも知れない。ちょっとジャーナリスティックに過ぎる視点・描写があったように記憶しておりあまり良い印象はない。まあ著者は「皇室ジャーナリスト」ということなんでしょうがないというか好みの問題か。
- 作者: 寺崎英成,マリコ・テラサキ・ミラー
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1995/07/07
- メディア: 文庫
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激しくおすすめ。というか方々で引用されている必読文献の一つ。ちょっと読むのが早過ぎたような気がする。一通り関連文献を読んだ後で再読したい。
- 作者: 黒田勝弘,畑好秀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/01/10
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激しくおすすめ。「西園寺公と政局」「本庄日記」等の一次資料や戦後はマスコミ等に表れた昭和天皇の発言をまとめたもの。簡単な背景事情の説明が付されており大変読みやすく面白い。
当然大きなバイアスがかかっていることを前提に読むべきものなのだけれども、とは言えその発言は通して読むと人柄を偲ばせるに十分であると思う。これを読んでまた昭和天皇が好きになってしまった自分がいる。って本書の編集自体にバイアスがかかっていることも考えるべきなのでこれだけで判断するのは危険なんだけども。
- 作者: 鶴見俊輔,中川六平
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1989/04/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 鶴見俊輔,中川六平
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1989/04
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激しくおすすめ。前回紹介した「昭和史探索」と同じような編集方針、つまり主に当時の資料の引用が親の敵のようにこれでもかと並んでいるという構成(実際一部「昭和史探索」と重複がある)。やはり「昭和史探索」と同様読むのに大変骨が折れる(上下冊どちらも800ページ近い大作であります)のだけれど大変面白い。
編者の二人が僕からみるとどうも左側にいるのが興味深い。本書を読むまで恥ずかしながら鶴見俊介という人を知らなかったのだけれど【疎過ぎるとはsvnseeds】、どういう人か知ってたら読まなかったかも。よく知らないけどベ平連とかキライだし*1。
ただそれだけに上の「昭和天皇語録」や半藤一利が書いたものでは見かけられない天皇をめぐる状況がわかるともいえるかもしれない。解毒剤にはちょうどいいかも。
ということでまた長くなったのでこの辺で。積読在庫状況を見る限り、昭和天皇関係はたぶんあと3回ぐらい続きそうな予感です。でも途中でまた興味関心が変わっちゃう可能性もあるので予断は許されません。ではごきげんよう。
*1:中にはなんでこんなの収録してるんだとつい思うものもあったりして。特につらかったのが下巻収録の「ギョメイギョジ」で、思想的にも文章的にもどうしても受け入れられず、これだけは最後まで読まずにパスしてしまいました。