生きにくい世の中になりそうだなあ

教育基本法の改定が終に可決成立したとの由。しかしその目的も何故こんなに急ぐのかも良くわからない。少し調べてみたのだけれども以前から感じている漠然とした不安がより強くなっただけだ。本当に現在の日本のふいんき(何故か変換できない)は戦間期のそれに似てきていると思わざるを得ない。

以下個人的なメモ。圧倒的に背景知識が足りないため今の段階ではメモ以上のことを書けない。情けない。

  • 日本教育再生機構の結成呼びかけ文。あまりに感情的、ダメな議論の典型。理事長は上の八木秀次。この団体は今回の法改定に関わっているのか。設立が2006年10月ということは改定成立を前提としてその後の活動のための設立なのか。
  • 文部科学省にとっての改定の利点。finalventさんの教育基本法改正雑感におけるtikurinさんのコメント。恐らくはこうした利害対立も背景の一部だろうがそれだけとも思えない。うまく言葉にならないのだが。
  • 何故改定をここまで急いだのか。中身がないので時間をかけたくなかったからだろう。これを可能にしたのは3つ、反対論者にまとまりが欠けたこと、急に盛り上がった教育に関する報道、それに昨年の単純二元論選挙での圧勝。絶好のタイミングだった。特に昨年の選挙に関しては意味のない争点で盛り上がってしまった高いツケと思わざるを得ない。来年の選挙も同様の手で乗り切るつもりなのだろうか。現政権が使い捨てでなければ春頃に何か仕掛けがあるのだろうか。残念ながらこのままではうまく行く可能性が高いように思う。
  • 改定に反対の立場をとる者たちにまとまりがなかったのは何故か。反「体制」や反「エスタブリッシュメント」では既に「かっこ悪い」とされている「サヨク」と代わるところがなく求心力に欠けたからか。遠因には保守とリベラル、右と左が共に似たような政策しか打ち出せない現状があるように思う。いわゆるリベラル(古典的リベラルではなく米国のリベラル)を自認する人々はマルクス主義共産主義を早急に捨て市場経済を前提とした社民主義を目指すべきではないか。
  • 僕自身は何故反対するのか。まだうまくまとまらない。漠然とした不安としか表現できない。改定に賛成しないまでも容認する人々の言うとおり確かに何も変わらない可能性もある。政治と歴史についての知識が圧倒的に不足していることを痛感。しかしあえて今言葉にすればこの不安の元はリバタリアニズムに近い立場からの全体主義的傾向の萌芽を目の当たりにしていることに対する恐怖だろうか。
  • 「国を愛する態度」を他人が評価するようになると何が起こり得るか。再び「真の愛国者」論法が人を黙らせる最強のツールとなるのだろうか。911後の米国と欧州での報道の違い。このメモのような内容もいずれ公にできない時代が来るのだろうか。もしくは既にそうなりつつあるのだろうか。生きにくい世の中になりそうだなあ。南無南無。

【追記:Dec. 21, 2006】
文部科学省 教育基本法案について
http://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/houan.htm

文部科学省 教育基本法資料室
http://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/index.htm

【追記:Dec. 26, 2006】
保守系でも改定に反対している人々もいるようで大変興味深い。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kokumin-shinbun/H15/1510/1510019deceive.html
http://kihonhou.blog67.fc2.com/
http://d.hatena.ne.jp/pantheran-onca/20061216経由)