「オイルショックを考え直す」を考えてみる(予告編)

あー予告編というか。そのうち時間が取れたらまとめて書きます。とりあえず先日コメント欄に書いたものをご参照下さいませ。Cremer and Salehi-Isfhaniの論文等を今読んでるんですが色々思うところあり。それにしても複数均衡解ってどうやって考えたらいいのかなあ。きれいな応用例をご存知の方是非教えていただきたくお願いいたします。ていうかミクロちゃんと勉強しろですかそうですか。ちょうど今やろうとしてるとこなんですよ!【蕎麦屋の出前かsvnseeds】。

とりあえずクルーグマン言うところの「採掘しないのも投資」って意味を勘違いしていたのは理解しますた。(上記コメント欄に書いたときに想定していたような)カルテルの強力さは関係なく、id:arnさんの言うとおり、石油を有限の資源として扱うかどうかがポイントですな。Cremer and Salehi-Isfhaniは(恐らく当時の主流であった)「OPEC=まともなカルテル」説に反対の立場(つまり石油市場は競争的であるという立場)にあって、そこは僕も激しく同意なわけですが、石油が有限=値段が上がったらキャッシュが余る=ところが有効な投資先が無い=投資としての採掘量の制限、ってロジックは(石油が激しく有限であることを前提としているという意味で)個人的にいまいち納得感がありません。

むしろ単純に、オイルショック後の産出減は価格高騰による需要減に対応するためのものであり、それ以上でも以下でも無いような気がします。つまりOPEC内や広く石油産出国間の競争だけでなく、石油代替エネルギーとの競争を念頭に置くことでそうした動きが単純に理解できるのではないかと。こうした場合も複数均衡解なモデルを考えなくてはいけないのかどうか、よくわからんのが悲しいところです。えーん。

ということでコメント絶賛募集中。なんだかすべてを激しく勘違いしているような嫌な悪寒もしているので是非突っ込んでいただきたく。よろしくおながいします。

【追記】
と書いておいてアレですが、確かに「採掘しないのも投資」というのはあるかもしれないなあ。

当時産油国発展途上国だったので、国内にふんだんに有効な投資先が存在するだろうからexcess cashの使い道に困ることは無いと考えていたのだけど、もし当時産油国も石油は有限であると思い込んでいたのだとすれば、国内の(例えばインフラの)投資にひと段落ついた後であれば「採掘しないのも投資」という発想になるのは十分あり得る鴨。うーん。