「ウルカヌスの群像―ブッシュ政権とイラク戦争」ジェームズ・マン(ASIN:4764105446)

ものすごく面白い。僕が今まで読んだ本のなかでもベスト5に間違いなく入る。ブッシュJr政権の外交についてちょっとでも何か考えたいのであれば必読。もうとにかくお薦め。翻訳もとても良い。

同じテーマのボブ・ウッドワードの例の2部作よりも断然深いしわかりやすい。何しろニクソン時代のラムズフェルドから話が始まってるのだ。そしてやはり同じテーマ(かな?)のクルーグマンの例の2部作よりも読後に納得感がある。彼らは別に壮大な陰謀を企てている悪の集団なわけではなく、単に恐ろしく現実に疎い、実務と政策遂行能力に長けた理想主義者たちなのだ、と。

一番の収穫はキーパーソンであるチェイニーがどんな人間なのか、この本でようやくわかったような気になれたこと。気のせいですかそうですか。いやウッドワードの本を読む限り、チェイニーが一番わからない人間だったので。ブッシュJr政権になって宇宙人に支配されて人が変わってしまったのではないかとすら思えてしまったのですよ。実際は元からアレな人だったわけですな。

そうそう、全部読み終わってから改めて日本語版への序文を読み直すと感慨深いものがあった。たぶん今後も何度か読み直すことになる予感。あ、読み直すのは序文だけじゃないですよ。わはは。

ついでなのでブッシュJr政権に関する本で僕が持っているものをまとめて挙げておこう。*は未読。

以下はブッシュJr以前の政権に関する本。

他に「これ嫁馬鹿」って本があったら教えてくださいまし。