Chart of the Week: Real Fed Funds Rate

すっかり忘れてた。The Big Pictureより。更新頻度が高いので全部読むのは結構ホネです。
で、リンク先、Deutsche Bankによる米国の実質FFレート(中央銀行が操作できる短期金利)のグラフです。前回のリセッションである92〜93年と今回のここ数年、見事にマイナスになってるのがわかります。こうしないと景気回復しないんですよ。
一方日本の実質金利は、デフレが続いているので当然プラスの値です(実質金利 = 名目金利 - インフレ率 = 名目金利 + デフレ率)。こんなことわかりきってるんだからとっととやることやれと小1時間。
あ、このグラフからわかるもうひとつのことは、今月末のFOMCで決定される(であろう)金利引き上げが、景気にそれほど大きなインパクトを与えることはないだろう、ってことです。今回はほぼ間違いなく0.25%(でももしかしたら0.5%)の引き上げですが、現状2〜3%の実質マイナス金利である中、そうした小幅な引き上げは大したインパクトを持ち得ません。というかもうとっくに織り込み済みですし。
もちろんマーケットが重視しているのは今後の金利引き上げのペースなわけですが、これだけマージンがあれば今から2%金利が上がってもようやく実質金利はフラットになるだけですから、米国の景気はかなり長持ちしそうだな、という風に思います【投機は自己責任でsvnseeds】。
もちろん実質金利のレベルはインフレ率の動向にも影響されるわけで、そうした中一番心配なのは実は原油でも原材料価格でも双子の赤字でもなく(そういえば原油価格はピークを過ぎましたね)、実は生産性の低下だったりします。
生産性低下 -> 雇用増加 -> 賃金上昇 -> インフレ圧力上昇 -> FRB引締め -> マズー
ってわけです。景気で重要なのは、どれだけ高く上がるかではなく(中国を見ればわかるように、すぐにインフレを招いてしまいます)、どれだけ長く持続するかなわけですから、これは当然ですわな。