相対主義に関するよくある質問

黒木さんによる。ここの「相対主義」が嫌われる理由は必読。ついでに『「知」の欺瞞』(ASIN:4000056786)からの引用を孫引きしておこう。

これらのテクストは、しばしば曖昧であり、少なくとも二つのまったく異なった読み方ができることがわかる。「穏健な」読み方をすると、議論に値するまともな主張か、真実であるが自明な主張が読みとれる。「過激な」読み方をすると、人を驚かすが誤った主張が読みとれるのである。不幸にして、「過激な」解釈の方がしばしばもとのテクストの「正当な」解釈だとされているばかりか、 (「Xは以下の事実を示した」という具合に) 確立された事実として受け取られている。われわれが鋭く批判したいのはこの点である。もちろん、そんな「過激な」解釈を本気で信じている人などいないという意見もありうるし、もしそれが本当なら結構なことだ。しかし、観察の理論負荷性、実験的証拠による理論の決定不全性、パラダイムの通約不可能性などの考えが、相対主義の立場を支えるために持ちだされる多くの議論を経験しては、かなり懐疑的にならざるをえない。

(『「知」の欺瞞』 「第一の間奏」 70-71頁より)

要は、君子危うきに近寄らず、ってこった【それはどうだかsvnseeds】。
ところで思いついてしまったのでしょうがないから書いておくけれども、『「知」のギヤマン』ってダメですかそうですか。