コアコアCPIは未だ前年同月比-0.1%

ネットで調べるの面倒なんで日経夕刊一面の記事から印象だけ述べますが;

  • 「消費者物価0.8%上昇」って大見出しはダメでしょ
  • 「経財相『消費にマイナス』」って小見出しもダメ
  • 本文最後あたりの「今回の上昇は、モノやサービスの需給改善を伴う『良い物価上昇』ではなく、原材料のコスト増が主因の『悪い物価上昇』といえる」ってのもダメ
  • 大田経財相が「デフレ脱却に向けて大きく歩み出したとは言えない」とのコメントをひいている点が唯一の救いか

ってことでもう本当にダメダメ。本来であれば;

  • 金融政策の指標となるべきコアコアCPIは未だマイナスであり、物価が上昇している状況とはとても言えない
  • また生鮮食品やエネルギー等volatileな品目を含めたCPIが0.8%上昇していても他の諸国と比べて「消費にマイナス」といえる程の水準ではない
  • 更にCPIに係るバイアス(Broda and Weinsteinによれば1.8%)を考慮すれば、現状はデフレ脱却からは程遠いと考えざるを得ない
  • 一方「モノやサービスの需給改善」に伴う物価上昇は、企業収益の好転が先行してはじめて可能となるものである
  • しかるにここ数年の企業収益の好転はそれ以前の1990年代以降のデフレの深化に伴う労働分配率の急激な上昇を未だカバーできていない状況である
  • 以上を鑑みるに、現在の日本にとってもっとも重要な要件は名目GDPの上昇に他ならない
  • しかるに潜在成長率を減税や規制緩和等政府主導で増大させることは非常に困難である
  • よって名目GDPは金融政策を主体として上昇させるべきである
  • なおここで注意すべきは政府(財政政策)が金融政策の足を引っ張らないことである
  • 以上から、金融政策が上記方針に則って行われることが期待できない場合、政府は日銀法改正も視野に入れ経済政策に臨むべきである
  • なんとなれば、「中央銀行の独立性」はインフレ時において重要な要件となるものであり、デフレ下においては、中央銀行の伝統的なインフレ忌避志向を念頭に置いた場合、むしろ必要な政策を遂行するための障害にしかならないからである
  • 現在の日本にとって真に重要なことは、経済政策において政府と日銀の歩調を合わせることであり、且つまたそのテーマは日本経済の回復におくべきであって、「財政の健全性」や「金利の正常化」は日本経済が回復してから後達成すべき課題であり、またそうでなければ達成できない課題であることを理解することだ

ぐらいのことは言ってほしいものですがないものねだりですかそうですか。これがわかってたらこの15年はないですよねえ。南無南無。

って苺で誰かが書いていたけれど、今世間でインタゲとかリフレとか言ったら本当に基地外扱いされかねんなあ。日銀総裁選出のタイミングで何たる不幸なことか。やっぱりもう日本ダメだよねどう考えても。南無南無。

gretlでお気楽線形回帰分析

わー矢野さん線形回帰分析なめててごめんなさいごめんなさい【先に謝るsvnseeds】。

ということで蓑谷千凰彦「計量経済学」(ASIN:4811543114)とか白砂堤津耶「例題で学ぶ初歩からの計量経済学」(ASIN:4535554978)とかとにらめっこしてダービン・ワトソンとかコクラン・オーカットとかと格闘していた皆さん!【自分のこととはsvnseeds】。STATAは高い!Rは敷居が高い!と思ってらっしゃる計量経済学徒wannabeな皆さん!

gretlっつーすいなーなアプリを見つけたのでご報告でやんす。

使用方法その他は大阪府立大学鹿野先生の素晴らしい講義ノートもしくは大阪市立大学中川先生のこれまた素晴らしい講義資料等で熟知すべし

LinuxはもちろんWinでもMacでも動くようです。これ使えばDW(Durbin-Watson)統計量もCO(Cochrane-Orcutt)法もPW(Prais-Winsten)法もさくっと出せます!って皆さんとっくにご存知ですかそうですか。すいませんすいません。

ということでさっそくgretlで先日の失業率と犯罪率 米国犯罪種別版をPW法で出しなおしてみたんですが、結局どの犯罪種別もDW検定をクリアできませんでした。残念無念。この点時間があったら詳しく書くかもしれません(でも興味ある方はご自身で試されるのが一番早いように愚考いたします)。

それよりなにより今気になっているのは、すなふきんさんのところのコメント欄のパットメセニーさんの「この1年間、日経平均ドル円相場はきっちり連動して動いてきました」なるコメント。確かに見てみると2007年頭以降、日経平均と前日のドル円レートのデータを使ってPW法で処理するとこんな感じです(出力はもちろんgretlのもの)。

      VARIABLE       COEFFICIENT        STDERROR      T STAT   P-VALUE

  const              3129.90          2244.06          1.395   0.16436
  JPY_USD_y           111.492           17.8313        6.253  <0.00001 ***

Statistics based on the rho-differenced data:

  Sum of squared residuals = 1.01358e+007
  Standard error of residuals = 203.814
  Unadjusted R-squared = 0.963368
  Adjusted R-squared = 0.963218
  Degrees of freedom = 244
  Durbin-Watson statistic = 2.15767
  First-order autocorrelation coeff. = -0.191112
  Akaike information criterion (AIC) = 3316.18
  Schwarz Bayesian criterion (BIC) = 3323.19
  Hannan-Quinn criterion (HQC) = 3319

わーお!でも定数項がアレなので残念ながら投資には使えませんよ。南無南無。そもそもこの関係がいつまで続くかわかりませんし。もうちょっと長期で見るとだいたい2005年以降こんな感じみたいですけどね。

この点、他にもSP500やUS 10yr Bondとの関係を見てみたんですがこれはお楽しみということで皆さんお試し下さいませ。ざっと見たところ、lukeさん仮説の米株価というよりは、米国債->ドル円レート->日経平均、な感じがしました【ただの印象のsvnseeds】。これだとくまくまさん発見の関係とも整合的なように愚考いたします。ってこれ以上は誰かおながいします。わはは。

なお本日用いたデータは以下の企業・機関の提供でお送りいたしました。では皆さん良い週末を。

自己診断もの2題

激しく今更ですがbewaadさんのところ経由で。

僕の結果はグローバル/ローカル+2、タカ/ハト-1でございました。まあ予想していたとは言え未だいまいちりありすちっくになれないsvnseedsでございました。だってせんそうとかいたそうだし(棒読み)。

「あなたのタイプ」によると、「グローバル指向」「ハト派」の解説はこんな感じ。

【グローバル指向】
あなたは、地球規模で変化する市場環境に積極的に適応しようとする考え方を持っているようです。しかし、国際的な競争の激化や、自国の産業の空洞化などの問題にどう対処していくかが課題でしょう。

タイプ別 身近にある論点
「賃金の安い海外へのアウトソーシング(外部委託)」が、例としてあげられます。国際競争力を高める観点から、コールセンター業務を、賃金の安い海外へアウトソーシングすべきであるという意見があります。アメリカでは、実際にインドなどへアウトソーシングしている例がよく見受けられます。一方で、外国人との交流拡大による文化的な摩擦を懸念したり、国内雇用の流出を問題視する意見もあります。

ハト派
あなたは、国際的な機関や制度による秩序を重視し、力に訴えるよりも、穏健な外交手段で国際協調に取り組む考え方を持っているようです。しかし、武力行使を受けた時など、緊急かつ危機的状態が発生した場合に迅速な対応ができるかが課題でしょう。

タイプ別 身近にある論点
北朝鮮の核開発問題」が、例としてあげられます。対話での解決を目指して、2003年から6か国協議(米・中・日・韓・露・北朝鮮)が始められました。しかし協議は難航し、2006年、北朝鮮は国際社会の反対を無視する形で弾道ミサイルを発射、核実験を強行し、事態は緊張しました。その後、6か国協議や米朝協議などを通じて核管理の方向へ動いていますが、予断を許さない状況です。対話と圧力のバランスが難しいという意見もあります。

まあおおむね違和感ないかな。「タイプ別 身近にある論点」はいいじゃん別にそんなもんでしょ、って感じしかしませんが何か。

あと「このグループに近い考えの政治家」で吉田茂石橋湛山ビル・クリントンと出てきてまあなるほどなあと。前回と違いこの点はあんまり違和感ない感じ。まあ吉田茂石橋湛山が本当にここで言うハト派かっていうと違うと思いますけど。クリントンは良くわかんないな。要勉強。



はい次行きますよ。

こちらは「佐久間象山」とのことでやんした。正直幕末はまったく勉強不足なんで名前聞いたことあるなーくらいの印象なんですが、

さくま しょうざん (1811-1864)
思想家、松代藩士。天保4年に江戸へ出て佐藤一斎の私塾に入るが、3年後には松代に帰る。10年江戸に塾を開く。老中となった藩主真田幸貫より海外事情の研究を命じられ13年に「海防八策」を上書。安政元年吉田松陰の事件に連座して松代に蟄居。文久2年赦免。元治元年幕府の命を受けて上洛し開国論を主張したが、尊皇攘夷派によって暗殺される

ああ、暗殺ですか・・・。



でこのタイプはどういう人物かというと、

知識欲に溢れ、厳密な分析力をもち、組織のブレインとして活躍ができます。また研究熱心で一途ですが、そのために人付き合いがおろそかになりがちになる傾向があるので気をつけましょう。コミュニケーション能力に磨きをかけることがあなたの成長を促します

・・・正直僕をほっておいてくださいと思わざるを得ませんよ。わはは。ではおやすみなさい。