ジャーナリスティックな見取り図について

あーこれってわかるなあ。経済学でもそんな感じがする。って僕経済学者じゃないけど(笑)。
昔はどうか知らないけど、今時ケインズ派とかマネタリズムとか言ってるのって日本だけじゃないかしらん。まともな経済分析や政策提言に使える経済学のエッセンスって、学派で分かれるほど脆弱なものじゃないんだけど、どうもそれがわかってない人が多いように思う。
マスコミが「悪しきケインズ主義」とか「マネタリズム原理主義的主張」とか書き立てて、非常にレベルの低い単純な問題についてすら経済学内で対立があるように見せかけるのは正直やりきれない。たぶんわざとじゃないだけに痛い。教科書嫁と。
更に、デフレへの対処のような世界的にコンセンサスのある問題が、何故か前人未到の最先端最難関ミレニアムな問題になってしまったりするし。いいから教科書嫁と。
僕は日本がどうとか普段書かないようにしてるんだけど(明確な比較の対象と対照先がある問題については別)、少なくともこの国のマスコミは終わってると激しく思う。あ、マスコミの話になっちゃった。わはは。

【追記】id:flapjackさんが追記で書かれてますが、僕のこの理解はflapjackさんが本来提起したかった問題とは全然違うのでその点はどうぞ誤解なく。
で、僕が上で書いた論点はまあ良くあるものなのでアレとして、flapjackさんが本来意図していた「学究者があまりにもジャーナリスティックな見取り図に右往左往しすぎ」って論点は、学究者でない僕のような立場からすると非常に興味深い。
そんなのそもそも学究者じゃないんじゃない?ってつい思ってしまうのだけど、どうなんですかね。これは「何をもって学究に従事しているとするか」って定義の話になってしまうのかな。

あっはっはっは、景気は横ばいでやんの

ああやっぱりそうですか。マネーサプライの伸び率、2002年末から2%切ってるもんな*1。ていうかですね、頼むからマネタリーベース絞るのやめてくれっての>日銀。何やってんのさ。
頭に来たのでこれらマネーサプライ/マネタリーベースと実質GDP/鉱工業生産指数とを並べたグラフを作ってみたので興味のある方はどうぞ*2

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見ればすぐに気付くと思うけど、デフレがひどくなった97年以降、マネーサプライ/マネタリーベースのup/downが、実質GDP/鉱工業生産指数のそれに約3〜4・四半期先行するというパターンが顕著になっていることがわかると思う。デフレ=マネーが足りない、且つデフレ=不景気の原因、なのだから、マネーが増えれば景気が良くなるのは当たり前の話なのだ。
ちなみに去年書いたこれ、米景気については大当たりだったんだけど*3、日本経済の見通しは結果的には大外れでした。でも実質GDP/鉱工業生産共に、これを書いていた2003年前半は明らかに下降トレンドに入っていたことがわかる。
で、このトレンドが反転する前のマネタリーベースの動きに注目。次に今のマネタリーベースの動きに注目。もうガクブルですよ。
ていうかですね、陰謀論には行きたくないんだけど(笑)、もうここまで来るとお前らわざとやってんじゃない?>日銀という思いを抱かざるを得ませんよ。景気が良くなりかけたら引き締め、悪くなりかけたら緩める。一体何やってんだよホントに。
百歩譲ってマネーサプライはコントロール出来ないとしても(ここは笑うところです)、マネタリーベースのコントロール日銀の仕事のすべてでしょうが。今年に入ってからのこの絞りはなんなのよ。ちゃんと説明しろっての。ってインフレ懸念が、とか真顔で言い出しかねんから恐ろしいなあ。
データの元ネタは、日銀マネーサプライマネタリーベースの時系列データ、内閣府経済社会総合研究所GDP統計、及び経済産業省鉱工業指数より。ネットってホントに便利。

*1:マネーサプライの伸び率については苺経済板にあったこのレスも参照

*2:細かい注:マネーサプライに関しては、98年4月より基準が改定されており不連続なデータとなっている。そのため、両基準で重複している98年4月〜99年3月の間の数値について単純に平均をとって繋げることにした。これが学術的に適切な扱いかどうかはわからないけれども、まあ全体の論旨に影響することはないと思う

*3:ただしドル安については金利差要因がより大きいと今では考えている

続きの続き(id:kmiuraとのやり取り。ここへのお返事)

ごめん、自分でふっておいて返事遅れてる。
とりあえず、どんなアジでも自縄自縛のクリエイター達を開放する可能性はある点については同意(あとナカムラ教授の例の件は極端な反動、ってのも同意)。ここで終わると、まあやりようは色々あるよね、で済む話になるな。
それでもいいんだけど、ちょっと色々考えているので後でまとめるつもりなり。というかまとめたんだけど長くなり過ぎて削る必要があって、忙しくて進んでない。
とりあえず搾取なんてものは存在しなくって、搾取に近いものがあり得る条件を可能にするもの(例えば規制とか、逆に規制が存在しないこととか)が本当の問題だ、だから搾取なんて言葉を口に出した時点で問題から目を逸らしてる事になるんだ、って結論になる予定。
あ、あとid:flapjackさんも書いているけど、抽象的にお話が出来るのは問題の交通整理部分だけで、後はいきなり個別論になっちゃうので、はっきり言って門外漢が議論するのは難しい、だから当事者達が何とかしないといけないんじゃない、ってお話にもなる(予定w)。
ってうーむなんか結論先に言っちゃったら書く気なくなっちゃったなあ。

「私の感覚では30代以下の若い社員は、もう社内でありながら、心はフリーターになっています。」

これもid:kmiuraのところから。まあどこにでも行ける準備はしてるだろうし、そもそも一生同じ会社にいようとなんて思ってないのは間違いない。でもそれをフリーターと表現するのはセンスないなあ。違うでしょ全然。フリーターに選択肢なんてないもの。完全に逆。
ていうかなんというかこれ、シバキ主義の典型みたいな文章だなあ。こういう、今までの日本のやり方を全否定しちゃう論調って、5年後から見たら恥ずかしいだろうなって思う。全く向きは逆だけど、バブルのときにイケイケになってたのと同じだもんな。

米数学者、リーマン予想の証明を宣言

おれカネ先生、太鼓を打ち鳴らさねば!【まだ早いぞよsvnseeds】。なんと既に論文も公開されていて、そのタイトルが

APOLOGY FOR THE PROOF OF THE RIEMANN HYPOTHESIS

なんだからふるってる。いやそんな謝らんでも*1。面を上げい。ていうか誰か解説して下さい。
或いは科学的な日々より。僕もサイモン・シン書いてくれに一票。というかそれよりも重要なのは青木薫さんが翻訳することだと思ったりして。わはは。

*1:いらない注:普通このapologyは「弁明」と訳される