インフレが一番「迷惑」なのは資産家

上に書いた、

> インフレが一番「迷惑」なのは資産家

に関連して、バフェットの発言を引用しておきます。

インフレーションが歴史上最も重い税金であることは、ちょっと計算すればすぐにわかります。このインフレ税は、資本を食いつぶすという素晴らしい能力を持っています。例えば、ある未亡人が財産を5%の定期預金で運用するとしましょう。インフレ率がゼロ%で、その利息収入に100%の所得税がかかるとすれば、未亡人は所得を得ることができません。

しかし所得税を免除されたとしても、インフレ率が5%であれば、やはり未亡人の所得はゼロです。利息収入は得られますが、元金が5%目減りするために、差し引きでゼロになってしまうからです。しかも、人はこのインフレ税を見過ごしてしまう傾向があります。この未亡人も、所得税が120%になれば怒り出すでしょうが、5%のインフレが経済的に見て同程度の悪影響を及ぼすことには、おそらく気がつかないでしょう。
(pp.6-7)

バフェットの投資原則

バフェットの投資原則


これを読んで「ほれ、インフレはやはり悪魔的(略)」と考えるのは大間違い。何故ならまったく正反対のことがデフレーションの状況において言えるからです。

デフレに際しては、資産家は利子収入に加え、デフレ分の実質的な資産の増加をも得ることができます。つまり、2%のデフレの場合、資産家の元金は実質的に2%増加するわけです。

さてここで、10年の長きに亘りデフレであった日本において、仮に増税を行うとした場合、

a. どんな可処分所得レベルの者であっても等しく負担することになる消費税

b. 今までデフレにより恩恵を受けてきた資産家へより多く課税することになる「インフレ税」

のどちらがより望ましい方法でしょうか?もちろんこれは修辞的な疑問文です。