散髪雑感

もう8月ですか。早いなあ。

髪切ってきたのは確か7/20頃。散髪エントリくらいリアルタイムで上げたいと思っているのだけれどどうにもままならず。

ところで激しく今更ですが先の参院選自民党がこれだけ大敗を喫するとは予想外でありました。特に地方(四国とか)でもあれだけ負けるとは正直びっくりであります。選挙速報見てて各地の候補者が自民党=人相の悪いおじさん、民主党=軽そうな若者、とあまりにも類型的で奥さんと二人で爆笑してしまったのはヒミツであります。

今回の選挙で素人ながら思ったことは4つ。まあ全部良く言われていることではあると思うのですが頭の整理のために書いておきます。

まずひとつめは案外有権者というのはバランスを取れるものなのだなと。恐らく衆院選であれば、今回と同じようなムードであっても民主党がこれだけ大勝することはなかったのではないかと思いますた(もちろん衆院選小選挙区という仕組の違いもあるとはいえ)。現状その存在意義がある意味あやふやな参議院の選挙であればこそ、有権者は与党にお灸をすえる行動を安心してとることができたのではないかと愚考します。今後の民主党の運営次第で参議院の存在意義が改めて問われることになるのかな。願わくば単なる時間稼ぎではなくまともな論戦が展開されんことを。無理か。わはは。

ふたつめ、今回の民主党の大勝はやはり小沢さんの力が大きかったのかなと。左右斜め上寄せ集めの党ではあるのだけれど、小沢さんのおかげで地方のような保守が強いところでも票を取れたのか知らん、と思いますた。今後どうやって党内の意見をまとめるのかまったくわからないところがアレですが、まず経済政策に関しては期待薄かなあと思っております。ていうか本当に民主党は党として機能するのだろうか。

みっつめ、小泉元首相は本当に自民党をぶっ壊しかけたのだなあと。安倍内閣の人事をめぐるばたばたを見ていて、なんとも素人くささを感じてしょうがなかったのだけど、選挙戦も素人くさいというか、本当にちゃんとしたブレーンがいないんだなあと改めて思いますた。これは恐らく安倍首相の能力(見識、学歴、その他)の問題だけではないのだろうと。小泉元首相は自民党の派閥という根本的な構造を壊してしまって、一方でそれに代わる仕組を作れずにスタンドプレーで乗り切ったようなものだから、今後自民党は苦労することになるんだろうな。南無南無。

よっつめ。ひとつめの感想と激しく矛盾するようですが、やはり民主主義というのは大変危険な要取扱注意システムなのだなあと。一方では、ひとつめの感想に書いたとおり、今回の自民党の大敗は先の衆院選の圧勝に対して有権者がバランスをとった結果であるように思えるのだけれど、また一方で、その有権者の行動の動機というのは今回の参院選も先の衆院選も同じようなもの、つまりいわゆるワンフレーズポリティクスであって、先の郵政民営化が今回の年金問題解決に代わっただけで結局ほとんどまともな議論がなされていない、その点を非常に危惧するものであります。これはだめかもわからんね



最後の感想に関連して。最近戦後昭和史のお勉強もそこそこに戦前の昭和史の本をあれこれ読んでるわけですが(半藤一利の「昭和史探索」は最高に面白いです!)【何事も中途半端なsvnseeds】、そこで思ったことは、結局先の大戦は、巷間流布する言説とは裏腹に、国民の熱狂的支持のもと始められたものであるなあと。もちろんその背景には軍部とマスコミの強烈な煽りがあったことは論を待たないわけですが、しかしそもそもの問題は、恐らく、天皇・元老・重臣と議会の両者共に、民主主義というシステムに慣れておらずそれを扱いかねた点にあるのではないかと思いつつあります。このことは第一次大戦後のドイツ、また現在のイランを詳しく見ることで真に驚くべき知見が得られそうな気がしているのですが、僕の人生はそれを行うには短すぎるようです。時間じゃなくて能力の問題ですかそうですか。



ところで話はかわりますがこの長く続くデフレの時期、少子化が同時に進行していることは実は日本にとって不幸中の幸いではないかと、やはり昭和史を学びながら思っております。昭和恐慌のときのように人口が爆発的に増加している状況であったならば、より強硬な排外的、そして恐らくは拡張主義的な悪いナショナリズムが蔓延したのではなかろうかと。まさか今更満洲へ、とはならないにしても、大アジア主義がより容易に復活したであろうことは想像に難くないと思う次第。



また話はかわりますがデフレといえば韓リフ先生ご紹介のブロダ・ワインシュタイン第二弾、「クルーグマンバーナンキ以来の黒船襲来級」(by 韓リフ先生)とも「ボスキンレポート以来の衝撃(統計局にとっては)」(by econ-economeさん)とも言われる「アメリカからみたら日本の物価ってインチキすぎ」論文ですが、現在ぽつぽつと邦訳進行中であります。激しくタイミングを逸しそうですが8月中にはなんとかなりそうな見込みなり。なんとかなるといいなあ。って読みたい人いますかね?



ああまた長くなっちゃった。格差社会って何だろうとか宮沢元首相の評価についてとか、書きたいことはいろいろあるのだけれどまた今度【いつになるやらsvnseeds】。