「陰鬱な科学からのとびっきりのお知らせ」要約版
先日ちょっと触れた「ポスト平成不況の日本経済―政策志向アプローチによる分析」(ASIN:4532132991)収録の「Happy News from the Dismal Science」のbewaadさんによる丁寧な要約。実は期待してました(笑)。ありがとうございます。とにかく日本の財政に危機感を抱いている方は必読です。
ところで「財政危機をあおってはいけない」とでも題して(笑)いくつか小噺を書きたい(というか誰かに書いていただきたいw(いやもちろんほとんどのテーマはbewaadさんが今まで何度も取上げているわけですけれども))と思っているんですが、日本の財政に関して代表的な勘違いを指摘するのに良いテーマって下に挙げたものの他に何かありましたっけ。
・財政破綻?それって具体的にどういうこと?
・財政問題を家計や企業会計と同列で語るのはやめましょうよ
・財政赤字はグロス(総額)ではなくネット(純額)で考えようよ
・財政赤字の増大は公共事業(や政治家や官僚の無能・無責任)が原因じゃないってば
・プライマリーバランスの達成はそれだけじゃ意味ありませんってば
・キャピタルフライトって何が問題なの?
・少子高齢化の問題は(長い目で見れば)大きな問題にはなりません
・リフレ政策は(何度も言うように)財政赤字減らしが目的じゃないってば
というかですね。財政問題もそうだけど、「日本は米国のいいなり」的な陰謀論(「日本は米国債を売りたくても売れない」by石原都知事、や例の「要望書」に代表されるような)にしても、明らかにアレな論説は書籍・TV・新聞・雑誌(海外のわりとまともなもの含む)で繰り返されていても、ちゃんとした議論(例えば上の論文なんか)は国内では全然誰もreferしちゃいないって状況が全くもって激しくどうにかならんものかと思う次第。
こうした状況は、数年前の「デフレは悪くない、むしろウェルカム」的な雰囲気が転換したのと同じく、いづれあるべき方向へ変化するだろうとは思いつつ、なんだかなあと。ていうか議論が偏りすぎ。改革断行組と抵抗勢力の2つのうちのどっちかしか検討してないように見えるんだけどそれって如何なものかと。そんなに重大な問題と認識していてアレコレ言うのであれば、第三の道についても自分で調べてみりゃいいのになあ。
例えば、リフレ政策は政治的に実行に至らないから支持できない、って意見はよく聞くけど、まず支持されなかったら実行もされないわけで、で支持するには誰かが支持してるからってのが理由ではなく自分で調べて考える必要があるわけですよ。そこすっ飛ばしてたら正直お話になりませんよええ。考える力があるように見える人たちが、自分の知らないことに対しては耳を傾けず、むしろ自分が信じていることがらのみに基いて世界を眺めているように見えるのは悲しいことであるよなあ(詠嘆)。