「パラサイトシングル、負け犬、年下の彼氏」の研究

いや研究ってほどのものでもない、ていうか自明な話なんですけどね【誰に言い訳svnseeds】。30代女性のこれらの行動が、実は単なる需要と供給によって引き起こされているんじゃないかとずいぶん前から考えていて、ちょちょっとデータを調べてみたら面白い結果が出たのでご紹介する次第。データをどうやって見せようと悩んでしまい思わず時間がかかってしまいました。もっとわかりやすいやり方があったら教えてくださいまし。

で、需給の問題だってことはつまりいわゆる30代女性は同世代の男性に比べて人数が多いと言いたいわけです。実際はどうかというと。

まず単純に年齢別男女別人口と男女比を示してみたのが下の図1。ソースは総務省統計局平成15年10月1日現在推計人口より(以降同じ)。年齢は2つ足して今年分に直してあります。ちなみに今年39歳(1966年生まれ)の人たちが妙に少ないのは丙午による出生減。次の丙午はいつでしょう。閑話休題

年齢別男女人口と男女比

図1

で、見ればわかるけど、どの年齢をとってみても男性の方が多い。つまりこれだけ見ると、あぶれるのは男性の様にみえる。

でも実際には、同年齢同士がくっつくとは限らない。ということでちょっと余裕をみて、前後10年の各年齢の男性人口に対する、ある年齢の女性人口の比の平均を女性の年齢別に見てみたのが次の図2(対丙午は比率がおかしくなってしまうので除いてます)。

年齢別女性人口に占める男性人口の割合

図2

どうすか。わかりにくいですかそうですか。ちょっとだけ解説すると、例えば一番悲惨な32歳の数字を細かく見てみるとこんな感じになってます。

32歳女性に対する-10歳(22歳)男性の割合 -22.1%
32歳女性に対する-9歳(23歳)男性の割合  -22.3%
32歳女性に対する-8歳(24歳)男性の割合  -21.3%
32歳女性に対する-7歳(25歳)男性の割合  -17.3%
32歳女性に対する-6歳(26歳)男性の割合  -16.1%
32歳女性に対する-5歳(27歳)男性の割合  -13.7%
32歳女性に対する-4歳(28歳)男性の割合  -12.2%
32歳女性に対する-3歳(29歳)男性の割合   -8.2%
32歳女性に対する-2歳(30歳)男性の割合   -4.2%
32歳女性に対する-1歳(31歳)男性の割合   0.9%
年下(-10年)平均            -13.6%
	
32歳女性に対する同年齢(32歳)男性の割合  2.4%
	
32歳女性に対する+1歳(33歳)男性の割合   0.7%
32歳女性に対する+2歳(34歳)男性の割合  -1.9%
32歳女性に対する+3歳(35歳)男性の割合  -4.4%
32歳女性に対する+4歳(36歳)男性の割合  -6.4%
32歳女性に対する+5歳(37歳)男性の割合  -8.3%
32歳女性に対する+6歳(38歳)男性の割合  -8.1%
32歳女性に対する+7歳(39歳)男性の割合  -28.7% (*丙午:平均からは除外)
32歳女性に対する+8歳(40歳)男性の割合  -11.0%
32歳女性に対する+9歳(41歳)男性の割合  -16.7%
32歳女性に対する+10歳(42歳)男性の割合 -18.7%
年上(+10年)平均           	-8.3%
全体(前後10年間・同年齢含む)平均    -10.4%

えーご理解いただけたでしょーか。色々暗黙の前提とか入ってるんですが、とりあえずこれで各年齢の需給関係を表せるんじゃないかと思ってます。間違ってたらご指摘お願いします。

で、これからわかることは次の3点。

1. 29〜40歳(丙午の39歳を除く)の女性に対する男性の供給は不足している。更に、31〜35歳の女性への男性の供給は絶対的に徹底的に*1(年上、年下共に)不足している。つまり、

  • 親にパラサイトしている30代女性は、楽したかったり贅沢したかったりしてそうしてるのかもしれないけど、実は単に同世代の男性に巡り会えていないからパラサイトしている可能性が高い
  • 負け犬の女性たちも、理想が高かったり仕事が忙しかったりするのかもしれないけど、実は単に同世代の男性に巡り会えていないから負け犬になっている可能性が高い

2. 35歳以上の女性にとっては年下の男性の供給がプラスとなっている(年上はマイナス)。つまり、

  • 年下の男性と付き合っている30代後半の女性は、わがまま言えたり母性本能をくすぐられるからそうしているのかもしれないけど、実は単に年下の方が捕まえやすいからそうなっている可能性が高い

3. 28歳以下の女性にとっては男性の供給は十分。つまり、

  • パラサイトシングルや負け犬ってのは一過性のもの(「現在の」30代女性特有のもの)である可能性が高い

ということで、えーと何が言いたかったかというとですね、パラサイトシングルだとか負け犬だとか年下の彼氏だとかって現象は、別に30代女性がなんか特殊なわけではなくて、ただ単に人口構造からそうなってるだけなんじゃないの、と。所得だとか趣味だとか評論する前に数を数えた方が良いんじゃないの、と。こういう構造的な変化(笑)へほとんど目を向けずに、30代女性達が何か特別な存在であるかのように語る人たちが多いような気がしてちょっと気持ち悪いと思ったことであるなあ、と。気のせいですかそうですか。まどうでも良いんですけど。わはは。

あ、この構造は30代男性にとっても同様なんで(だって単なる「山高ければ谷深し」って話なわけだから)、独身男性急増中ってお話も当然至極かと(なんかいっつもからんでるみたいですいません>id:finalventさん)。しかも一番きついのは、(リンク先の元ネタで話題になっている)35〜39歳ではなく、当然ですが32〜33歳だったりして。南無南無。更に言うと、現在20代の男性には年下よりも年上の女性の方が供給が多かったりして。これも今後ナントカって呼ばれたり適当な解説が付いたりするんだろうなあ。南無南無。

あー、こっから少子化とか引きこもりだとかの話にもってけそうな気もしてきた。けど良くわからないのでこれでおしまい。ちゃんとした人がちゃんとまとめてくれることを激しく希望する次第でございます。

*1:そもそも他の歳や世代と比べて、という相対的な比較しかしてないので、「絶対的」という言葉を使ったのは間違いでした。他に適切な言葉も浮ばないので「徹底的」とお茶を濁しておきます(笑)