リフレと財政政策

マーケットの馬車馬さんコメントありがとうございます。1〜3の論点はとりあえず宿題にさせていただくとして(計量経済学の入門書買ってきちゃいました!(笑))、とりあえずリフレ政策と財政政策について、僕の思うところを書いておきます。

確かに僕は、マネーサプライ(マネタリーベースでなく)を増やすためには財政政策をやっても良いと考えていて、その点では馬車馬さんと考えが同じといえます。もちろんこの場合、財政政策の財源は通貨発行によるシニョリッジです(それ以外に何があるでしょう?)。

リフレ派の中には、例えば高橋洋一氏のように、「中央銀行が市中国債を買入れ政府がそれと同額の国債を発行し財政支出・減税・社会保険料減額をしてもいい」と提案している人もいます(黒木さんの掲示板より)。僕はこれ、むちゃくちゃアリだと思っていて、さっさとやったら良いのにと思います。ていうかやるなら今がチャンスで、今しかないのになあ。今やらなかったら絶対後悔すると思う。ってそういう問題じゃないですかそうですか。

えーと何がいいたいかというとですね、つまりシニョリッジを財源とした財政政策であればリフレ派は否定しないし、むしろ積極的に肯定している人もいる、ってお話です。だから、そういう意味でリフレ派(含むbewaadさん、末席wに僕)と馬車馬さんの考え方にそれ程差はないと思います。

じゃあどこが違うのかというと、要は期待に働きかけることにどれだけ期待するか(笑)、ってとこですかね。たぶんbewaadさんもそうだと思うけど、僕は、日銀がインフレターゲットを設定し、かつ国債買い切りの枠を撤廃してがんがん買い出したら、シニョリッジを得るヒマもなくインフレが始まると考えているのです(だからやるならデフレ期待が蔓延している今しかないんですが。って矛盾してますかそうですか)。そういう意味で、日銀が単独でできることがないとは考えていません(たぶん明日になると思いますが、ブタ積みの当座預金がマネタリーベースやマネーサプライへ大きな影響を与えている結果を示せると思います)。

馬車馬さんのおっしゃるとおり、財政政策は日銀の範疇ではありませんから、政府となんらかの形でアコード(某短資会社エコノミストの主張のようなものではなく(笑)、野口旭教授の言う意味でのもの)を結ぶ必要があります。これには調整に時間がかかるでしょうし、そもそもシニョリッジを使うことに日銀は(に限らず、まともな中央銀行であれば)かなりの抵抗があると思います。そうであれば、まずは日銀ができることをとっととやって、それでもダメなら最後の手段としてシニョリッジを使えばよいではないか、と僕なんか思っちゃうわけです。特にbewaadさんも書いているように、今日のデフレ期待を醸成した主犯格は日銀なんですから(共犯は財務省・・・_| ̄|○)、ちゃんと仕事しろよ、と言いたくもなります。

なお、この政府・日銀のアコードに関しては、前述の高橋氏は必要ないと考えている点が興味深いです。その理由は、そもそも政府・日銀は協力して経済政策を担う立場にあるため、わざわざアコードを結ばずとも、必要な時に必要な点で協力して必要な政策を行うのが当然と考えているからです。馬車馬さんと近い考えじゃないかと思います。

えーと無理やりまとめると、馬車馬さんとbewaadさん(はじめゴキブリ派)の考え方の大きな違いは、以下の2つに集約されるように思います。

  • インフレ期待が果たす役割の大きさに関する見解の相違
  • 日銀の独立性(裏を返せば政府との一体性)に関する見解の相違

どうでしょうか。