「経済現象は量子現象より複雑」?

A.R.Nさんのところより。

森だろうが水だろうが人間だろうが、すべてが原子なり量子なりとその相互作用によって成り立ち、しかも少数の数式で表現できてしまうということは受け入れながらも、経済学がその枠組みに収まらないと主張する思考が私には理解しかねる。

禿同の至り。経済は量子現象とか複雑系とか心霊現象とかプラズマとか、そんなこと言い出す前に物理学で気体分子がどう扱われているかを思い起こせば十分のはずなんだけどそれがわからん人が多すぎる。中村正三郎氏は金子勝の本でも読んだに違いない。ちゃんとした教科書読めば良いのに。
というか「経済学を学んで株や為替が云々」とか言ってる時点でダメダメすぎ。そんな理解じゃ「テキトーに独学」以前どころかそのはるか手前の更に3歩下がってナナメ45度上を超低空で音速飛行してるって感じだよう【それは言い過ぎsvnseeds】。しっかりしておくれ。
経済学がなんでここまで嫌われるかだけれども、やっぱりマル経の時代が長すぎたんだろうと思う。マル経の教義ってデフォルトで企業は悪で国家は敵なんだから、まともな経済学的思考ができるとは到底思えない。一掃して博物館行きにするにはどうしたら良いのだろう。
あと稲葉さんの本を読んでいて気付いたんだけど、たぶん一般の人の経済全般に対する理解は「弱肉強食」で「適者生存」なんだろうなあ、と。正直僕もそう思ってたし。
でも実はそうではなく共存共栄するための方策というのがちゃんとあって、それをいかにうまくインプリメントするか、ということを研究しているのが経済学なのだ。理解がまるで逆なんだよなあ。これは経営と経済をごっちゃにしてるからに違いない。
だから、例えば国同士が経済で競争するとかって馬鹿馬鹿しいお話がまかり通ることになる。競争してんのは企業でしょうが旦那。今どき国同士が何を競争する必要があるのだろう*1。オリンピックじゃあるまいし。ああ馬鹿馬鹿しい。
とは言え、いくら馬鹿馬鹿しいことでもみんながそれを信じていれば実際にそう動くのが政治というものではある。今まで散々、政治がまずいのを官僚や政治家のせいにすることを繰り返してきているけれども、実際に悪いのは有権者の判断と、有権者の唯一の政治管理ツールであるところの選挙制度なのは明白だろう。明白ですよね。ねえ。

*1:今後更に人口の減少が続くようだと人という最重要なリソースをめぐって実際に競争しだす可能性はあるやもしれぬがこれはまた別の話