日銀、独立してないじゃん。

別に陰謀論に荷担するつもりは毛頭ないのだけれど、過去や最近の様々な発言から、組織としての日本銀行はどうやら本気で日本の経済構造を変えることを目標としていることがはっきりしたと言って良いように思われる(後で見るように、これは「そう見える」だけで十分意味を持つ。ので、陰謀論がお嫌いな方も最後まで読んでいただければ幸甚至極)。
これは2つの点で大いに問題がある。1つは、日本の経済構造を変えることは日本銀行の責務ではないこと。そして2点目は、その本来目標でないことを実現するための手段として、本来目標であるはずの物価の安定を放棄していることだ。
実はこれらの目標と手段は、奇妙なことに現政権の目標や手段と一致している。これは偶然の一致だろうか?
つまり別の言い方をすれば、ある組織がその本来の目標を放棄し、本来責任を持つべきでない別の目標を追求している(ように見える)としたら、その組織は正常に機能していると言えるだろうか?何らかの外部圧力がかかっていると見なされても仕方ないのではないか?
中央銀行の独立性が重要なのは、過去常にインフレのバイアスを持っていた政府の干渉を退ける必要があったからだ。しかし、もし政府がデフレのバイアスを持っていたらどうだろうか?
要は現在、「政府からの干渉」は、過去常にそうであったからという理由で、インフレの実現としてしか観測されない点に問題がある。インフレにならなければ政府からの干渉は無いと考えて良いのだろうか?もちろん、この非対称性は放置さるるべきでない(デフレのバイアスを持つ政府とは狂気の沙汰以外のなにものでもない。そのため今までこの非対称性が放置されてきたのも止むを得ないかもしれないとは思う。しかしそのままでは大恐慌から何も学んでいないことになる)。
つまり、もし政府が拡張的な財政を望み、且つ中央銀行がそれを容認もしくは追従する結果インフレーションが実現し、これをもって中央銀行の独立性が脅かされているとするのであれば、対称的に、もし政府が緊縮的な財政を望み、且つ中央銀行がそれを容認もしくは追従する結果デフレーションが実現した場合も、中央銀行の独立性は怪しいと考えて良いことになる
違います?
いや実際問題、キミ達日銀が本当は何を目標としているかはそれほど重要でないんだな。何を行ってきたかを見れば、無能なのか目標を取り違えているかのどちらかであるのは明らかだからさ。そろそろやばいって実は思ってるでしょ?早いとこ政府に責任擦り付けちゃうってのもアリだと思わない?
ということで、あれほどやかましく主張した自分達の独立性のためにも、早いところ政府と逆のことやった方がいいんじゃないかなあ。もう既に実はつるんでるんじゃないかって十分怪しいんだから、そうだなあ、とりあえずハデにw年率4%くらいのインフレにしてみたらどうよ?じゃないと前から望んでいたように、独立性強化しちゃうよ?わはは。

【追記】上記でインフレやデフレの「実現」と書いているのは、当然インフレやデフレの期待の形成でも良い訳ですね。書き直すの面倒なんでちょっと訂正。