人工無能『あるみ』

小宮さんの無能プログラム。会話例も。すごい。興味深い。ある程度まとまったところでソースを公開していただけると嬉しいなあ。
小宮さんのアプローチは僕が考えているもの(「大量学習と大量の結果例から『なんとかしる』ってやり方」)とは正反対で、「岩波講座ソフトウェア科学(15)自然言語処理」(ASIN:4000103555)や「岩波講座 言語の科学(8)言語の数理」(ASIN:4000108581)で紹介されている「システミック文法」の考え方にかなり近い気がする。例えばこれなんか読むと面白いんじゃないでしょうか(ここの左のメニューから「システミックな日記」を選ぶと全文読めます)。
ただ、辞書やルールを人間が手動で作っていくやり方は、結局人間側の作業が膨大になりすぎて行き詰まるのじゃないかとつい思ってしまいます。70年代(60年代だっけ)のAIがコケた最大の理由がそれなわけで、つまりいつか来た道じゃないかと。例えば「システミック文法」も非常に面白い枠組みなんだけれど、結局人間側の作業量が考慮されていない点では同じなわけで(誰がそんな大量の要素にタグ付けするんだよう!そもそも要素の列挙も終わってないみたいだし・・・)、そこが非常に気になってしまうのです。
もっとも、僕みたいないいかげんな門外漢が無脳を作って遊べるのも、MeCabChaSenCaboChaのようなグレートな形態素解析器や係り受け解析器が無償で提供されているおかげなので、そうしたツールを自前で作れてしまう人には何かブレークスルーがあるのかなあ、とも思います。
ということで小宮さんの今後の活躍に期待しております。ってなんか偉そうだなあ。すいません。