裸の経済学―経済はこんなに面白い

あまりに暇なので最近読んだ本をご紹介。
この本面白いですよー。非常に多岐に渡る経済学上の話題を丁寧に説明しています。そしてこの説明がまた上手い。直感的にはわかりにくい経済学のエッセンスを、ユーモアを交えてちゃんとわかるように説明してくれている。経済学の現実への応用の例としてとても勉強になります。ここでお勧めした「奇妙な経済学を語る人びと―エコノミストは信用できるか」が面白かった人には、この本も楽しく読めると思います。
ただし問題が2つ。まず、扱っている例や話題がほとんどすべて米国のものなのでいまいちぴんとこないかもしれません。でも例えば連邦準備制度の説明にしても本質的なところから説き起こしているので、これはあまり障害にはならないんじゃないかな。
一方、もうひとつの問題は深刻。苺経済板でのこれらのレスにあるように、翻訳はもう本当に最低の最悪です。歌舞さんが書いているように、翻訳者とともに編集者も責められるべきでしょう。まったく酷い。本当に酷い。完全に酷い。プロとしてこだわりを持てないのであれば本なんか作っちゃいけません。もしこだわりを持って作ってこの程度なんだったら(略)。
ということで残念ですがこの本、お勧めは出来ません。あまりに翻訳が酷いので、経済学の面白さがわかっていないと読む気になれない。でも本当に読んでもらいたい対象読者はその経済学の面白さがわかっていない人という罠。しかも経済学わかっている人にとっては説明の妙は面白いにしても特に目新しい話題はない本なわけですから、もう誰にお勧めしていいんだか。こりゃ売れるわけありませんね。我慢して最後まで読むのは僕みたいな物好きだけでしょう。
でもしつこいですけど、原書の書評を見てもらえばわかるように、本当に面白い本なんですよこれ。翻訳さえ良ければいい入門書になったのになあ・・・(しつこい)。