所得の伸びとインフレ率について調べてみたよ。
【6/5/2008追記】いただいたコメントに基き修正したエントリを本日あげましたのでそちらをご参照下さい。
昨日のエントリにnabezo-rさんから次のようなコメントをいただきました。
いっそ、70年代のインフレの方が幸せじゃないかと思ったりもします。
ということでちょっと調べてみました。考えてみたらこんな重要なことまだ調べてなかったのが不思議なり。って誰かもうとっくにやってますかそうですか。
【図:所得の伸び率と物価上昇率 1975-2007年】
ということで一目瞭然、70年代のインフレの方が幸せですね、少なくとも日本の場合。所得の伸びがインフレ率を上回ってますから。
・・・って実は話はそれほど単純じゃなくって、この所得のデータは総務省統計局の家計調査から持ってきたものなんですが、これ、「二人以上の世帯のうち勤労者世帯」のもの、つまり単独世帯や農林漁家世帯が除かれた数字なんですね。だからこれだけ見てたんじゃ実はなんとも言えないものがあります。
まあ1998年以降、つまりデフレがひどくなった時期以降はとにかくひどい、ってことだけは確かですけどね。南無南無。
で、所得のデータは、この家計調査とは別に、単独世帯の数字が含まれている厚労省の「国民生活基礎調査」ってのがあるらしく、こっちだと世帯主年齢階級別の数字もあるようで面白そうなんですが(例えば「世帯主年齢階級別 世帯所得、世帯員1人当たり所得の実質伸び率」みたいな分析が可能みたい)、ネットでは1995年までのデータしか手に入らないという致命的欠陥があります。
家計調査と国民生活基礎調査の所得データの違いは、例えばここの所得格差の推移について家計調査と国民生活基礎調査のデータを比較したものなどを見ると、思ったより大きそうということがわかります。
ていうかOCRかけろとは言わんから、せめてスキャンしたpdfファイルくらい置いておいて欲しいなあ>厚労省。冊子では毎年出てるようなんで、今度時間できたとき図書館行ってきます。ていうか誰か調べないかなあ。たぶんいわゆる「ニート」の話だとか、面白いことが言えそうな気がするんですけど。真面目に誰かやりませんかおながいします。
あ、インフレ率はCPIじゃなくってGDPデフレータを使いました。CPI使った方が実感に合いそうな気がするんですが、なんか総務省統計局のページの使い勝手が大幅に変わってしまってどこにデータがあるのかわかんなかったんですすいませんすいません。
で、GDPデフレータの算出には、1994年までは旧68SNA・平成2年基準の参考系列の数字、それ以降は平成12暦年連鎖方式の正式系列の数字を使ってます。ってこれで良いのかな。おかしいところあったら教えていただけると嬉しいです。
とまあ最後はデータについてのグチでぐだぐだになったところでこの辺で。このグラフは好きに使って良いので誰かもっとマシな分析エントリ書いて下さいおながいします。では皆さんごきげんよう。