はてなアイデアの株式システムについて

この件、なんだかすごいことになっているのをid:jounoさんからTBをもらって初めて知る。いやすごい。僕ははてなのサービスはアンテナとダイアリーしか使ってないダメはてなユーザなんでモノを知らずにどうもすみません。しかしつくづくはてなって面白い会社だなあ。

とりあえず、僕はこのシステムはやりようによってはとても有効に機能するのではないかと思う。jounoさんは、

実装への予測を市場取引の形で集合的に形成したところで、それはあくまでも実装の予測であって、需要の予測ではないのだから、はてな側が、実装に当たって、これが実装されるだろうとみんなは予測しているな、という情報は、はたして役に立つのか、というと、全然役に立たないと思う。

書いていて、それは全くおっしゃる通りだと思うのだけれども、一方で、市場による実装の予測が実際のユーザの需要を近似することは、やりようによっては十分可能なんじゃないかなと思うわけです。少なくとも、市場による実装の予測、つまりはてながユーザの需要だと考えると市場が考えるユーザの需要が、実際のユーザの需要の良い近似になることは可能だと思うのです。あ、これトートロジーですかそうですか。

いやでももう一回微分して、はてながユーザの需要だと考えると市場が考えるとはてなが考えると市場が考える需要は、実際のユーザの需要のより良い近似になっている可能性が高いと思うわけですよ。更に言うと、はてながユーザの需要だと考えると市場が考えるとはてなが考えると市場が考えるとはてながかんg・・・しつこいですかそうですか。

ということで、以下、思ったことをほぼ何も調べずに書きます。あまりに沢山色んな人が色んなことを言っているみたいなのでリサーチのしようが無いというか正直面倒というかだからこそ株式システムなんだろうなというか。激しくガイシュツだったりマトを外しまくってたりするだろうけどその際はどうもすみません。

まず思ったのはこれCiscoの買収によるR&D(Research and Development: 研究開発)アウトソースのモデルに似ているなということ。Ciscoは自社でももちろんR&Dをやっているけれども、それ以上のR&D面での成果をベンチャー企業の買収により達成しているわけです。自称ですけど。わはは。

で、このCisco R&Dモデルの観点から眺めると、「はてなアイデアの株式システム」における、あるアイデアに対する市場の評価とは、そのアイデアはてなに採用(Cisco R&Dモデルでは買収)されやすいかどうかにかかっていることになるわけです。

ここで念のため、「はてなアイデアの株式システム」における3つのプレイヤーが市場から得られると期待するものを書き出してみると次のようになるでしょう。

  • はてな:市場における評価を参考とすることで、有望なアイデアの選別・採用の効率向上を実現し、提供するサービスのより効率的な付加価値増大を可能とすること
  • イデア提供者:市場において高い評価を得ることで、自分のアイデアはてなに採用される可能性が高まること。また副次的に、それによってより多くの「アイデアポイント」を得ること

ちなみに、何故アイデア投資家がより多くの「アイデアポイント」を得ようと行動するのか、は非常に興味深い問題だけれども(何しろ「アイデアポイント」は「いかなる価値も持」たないらしいので)、まあこれは何故ヒトはオンライン日記やブログを書くのか、と似たような話だろうということでここでは不問に付して放置しときます。

で、このプレイヤー三者のそれぞれの目的が市場を通じて達成されるためには、つまりあるアイデアに対する市場での評価がはてなによる評価とめでたく一致するためには、活発で効率的な市場が形成・維持されることが肝要となるわけです。

ということで、とりあえず「はてなアイデアの株式システム」に以下のような変更を加えるといいんじゃないのかなーっと。もちろんこれらは良くても必要条件であり十分条件ではありませんので念のため。なんか長々と書いたわりにしょぼいアイデアしか出なくてすみませんすみません。ていうかこれって激しくガイシュツですかそうですか。

  • 価格の上限規制を撤廃すること
    • 価格は市場からの唯一のメッセージなので(本来的には)、それに規制を設けるのはあまり良い考えでは無いように思う。例えば、同じ5.00ポイントのアイデアが2つあったとして、そのどちらを市場がより高く評価しているかをはてなはどうやって知ることが出来るのだろうか。
  • イデア採用時には大々的に「プレスリリース」を出すこと
    • 実際に採用に至ったアイデアが、どのようにサービスの付加価値向上に役立つとはてなが判断したか、その都度投資家にフィードバックを行うことで、市場による予測はより効率的に望ましいものとなるだろう。
  • イデアそのものやアイデアの評価に関する情報交換を容易にするような仕組みを導入すること
    • today's hot stocksみたいな出来高順リストや銘柄別掲示板の実装等。上記「プレスリリース」とこの項は市場のプレゼンスを高め市場参加者を増やすためにも効果的だろう。ちょっと外れるけど第三者によるお勧め銘柄レポートなんか出てくると面白いんだけどな。
  • 投資家への報酬は配当ではなく時価による買い取りとすること
    • イデア提供者と投資家に報いるのに、その基準がはてな内部の作業量というのはちょっと不透明なんじゃないかと。単純に採用=買収として、時価総額を株主で山分けの方がわかりやすいんじゃないかな。もちろん、はてな側の作業量が採用基準のひとつである、というメッセージを市場に伝えたいのであれば話は別だけど。
  • 上場廃止の基準を導入すること
    • 僕の理解によると、現状では見込みの無いアイデアはてなが却下しない限りいつまでも市場に留まるようだ。これは市場の効率低下を招く。例えばある期間売買が行われていない銘柄や、ある期間中ある価格を割ったままの銘柄は上場廃止として市場から自動的に退出される仕組みがあると良いんじゃないか。もちろん上場廃止銘柄に投資していたら丸損と。現状だと投資家にはほとんどリスクが無いので市場が投機的になりやすいと思う。
  • 空売りを可能とすること
    • 見込みの無いアイデアを素早く上場廃止し市場から退出させるために有効。まあコミュニティの観点からするとユーザ間の対立を招きいかがなものかという話はあるだろうなあ。実装的にも貸し株の管理どうすんのとかあって面倒か。やっぱスジ悪かも。

ていうかこの「はてなアイデアの株式システム」、思うにはてなという枠の中で何ができるか楽しみながら考えたい、ってのが本来の目的なんじゃなかろうか。つまり実は効率では無く「楽しみながら」に力点が置かれているんじゃないか。と言ってみるテスト。

なので個人的にはid:bmpさんが提案している、(深刻な)不具合やバグには効率を優先したバグトラックシステムを別に立ち上げて対応、に一票を入れたい、いや1,000アイデアポイント投資したいと激しく思うわけですが、実ははてなアイデアってどうやって使うか良くわかんないんですよ。ダメはてなユーザでどうもすみません。