Unemployment Claims & Elections

昨日に引き続き、The Big Pictureより。そういえばここは最近音楽業界ネタで盛り上がっているようなので(僕はついていけないので読んでませんが)、興味ある方は是非どうぞ。
で、Unemployment Claimsというのは「失業保険申請件数」でして、毎週木曜日か金曜日に発表される、景気の先行指標とされるものです。新規(Initial)と継続(Continued)の2つの数字が発表されるんですが、どちらもボラティリティが非常に高いので普通は4週移動平均の値を見ます。この2つの数字のうちより重要なのは新規の方。というのも新規の申請なんで毎週どれだけの新しい失業者が生まれたかがわかるという塩梅。景気の変わり目には非常に注目されます。
僕は今年に入ったぐらいから米景気に強気だったんですが(例えばid:finalventさんのところ(現在の本家の方)にしつこく(笑)コメントしていた頃のこことかこことかここのやたら長いコメントを参照。どうもおじゃましてすみません。しかし今読み返すと僕は同じことばかり言ってるなあ。わはは)、それはこの数字をwatchしてたからだったりします*1。リンク先のグラフを見ていただければ一目瞭然ですが、昨年秋頃からの低下トレンドがはっきりわかりますよね。
で、この記事の主題である大統領選とのからみですが、思いつくままぱらぱらと書いてみます。
確かにこのままではBush有利と言わざるを得ないなあ、といった感じを持たざるを得ないなあ、と言わざるを得ない感じですね。民主党も、今までは前回の勝ちパターンである"It's Economy, Stupid!"と似たような戦略でBushの経済政策批判を柱としていたんですが、さすがにそれではまずいと思ったのか(恐らく11月頃には完全に景気は回復してるだろうから。もっと早く気付けよう)、今度は"Middle-Class Squeeze"(中流が搾取されている)というスローガンに変更したみたい*2
以下、例によってThe Dismal Scientistの受け売り(リンク先はお金払ってないと読めません。すみません)ですが、"Middle-Class Squeeze"で言っていることは、要はガソリン代、医療費、教育費の上昇はBushの失政だとするもの。なんかスジ悪だよなあ。Bushのこの4年間でそれぞれ28.4%、15.7%、23.6%価格が上昇したってのがキモらしいんだけれども、実はClinton時代も4年間にならしてみると、やっぱりそれぞれ12.4%、15.7%、22.6%上昇しているらしく、結局この価格上昇ってBushの失政とは関係ないようなんですよね。ガソリン代を除けば気持ち悪いくらい似た数字で面白い。
で、ガソリン代上昇のうちほとんどは、まあ明らかにBushの仕掛けたイラク攻撃が原因なわけだけれども、民主党イラク攻撃そのものは批判しないスタンスを取っているのでそこはつっこめない。それに11月頃には原油価格も落ち着いてるだろうし。
ということで残念ながら、今のままだとBush有利と言わざるを得ないですね。でかいスキャンダルが出れば別ですけど。実はペンタゴンには飛行機は突っ込んでいなかった!とか【まだ言うかsvnseeds】。わはは。

【20060309追記】TB先およびこちらをご参照のこと。

いやでも実際、民主党が認めているのは「テロとの戦争」なわけで、イラクがテロ(もっというと911)と関係ないというこの前出た話だとか、その辺の話が今後もぼろぼろ出てくればわからなくなってくるだろうなあ。米マスコミの底力に期待しますか。

*1:もうひとつは在庫指数。この2つがmissing linkだったのです

*2:と同時に、恐らく保護主義的な政策を大きく主張することもなくなるでしょう。景気回復が明らかになればそれはアピールしませんから。半年もしたら結局アレはなんだったのよ、って感じになってるんじゃないでしょうか