浮上する中国発の人民元切り上げ賛成論

今日の日経金融新聞3面のコラムとほぼ(全く?)同じ内容。非常に興味深いです。ここからわかることは;

  • 中国でもまともな経済学者はまともな結論(固定相場制は良くない)を表明していること
  • 中国政府もその結論を受け入れる用意がありそうだということ
  • マスコミが陰謀論が好きなのはどこも同じだということ
  • 陰謀論とは言え、政府は一定の配慮が必要となること

ですね。
また、これらのことから、最近の日米が行った中国政府への政治的圧力は、先方のマスコミを刺激して、結果的に政府足を引っ張って動きを鈍くさせる、百害あって一利なしな行動だと言うこともわかります。
そもそも経済学的に正しくない行動を米政府が取ったのは、単なる選挙対策である公算が高いわけです。そこに軽々しく乗っちゃう日本政府はアホとしか言いようがない(まあだからこそ乗ったという見方も出来るけど)。
だいたい、日本だって事実上の米ドルペッグを行っているわけだから、こんなこと言えたスジじゃないんですよ。こんな話も出てきてるし、(有料ニュースサイトで見たのでリンク出来ませんが)Big 3のロビー団体であるATPC (Automotive Trade Policy Council) もスノーに圧力をかけ始めたらしい。やぶへびも良いところです。
ということで、現在日本の景気が上向きつつあることから、今後日本の介入に対する風当たりはますます厳しくなるだろう、と言うここ(9/11付)の見方には賛成。ただし、多少の円高でも大丈夫という意見には反対です。というのは、今の日本の景気回復は、先の大規模な為替介入による金融緩和効果によるものだと思うからです。今「多少円高でも良い」って言うのは、もともとある引き締め傾向に戻そうって言ってるのと同じことになってしまう。
僕が約2ヶ月前に書いたこれの見方はまだ変わってません。苺経済板のドラエモンさんによると、「景気循環的には今年はもともと回復局面だった」とのこと。この回復が今年の1Qに早くもピークアウトか、と思った矢先の緩和効果だったわけだから、景気良くなったのは単なる偶然に近い。つまり、無茶苦茶金融緩和している米国にペッグしていたおかげで、たまたま日本も緩和できたわけです。
だから、大事なのは、これからもがんがん金融緩和を続けるという姿勢を日銀が示して、それを実行することです。緩和すれば自然と円安に振れるし、良いことずくめでしょう。・・・なんだけど、それがアテにならないから嫌になってしまう。「出口政策」なんか議論してる場合じゃないんだよ!