OECDの対日経済審査報告書の件 3点追記

1.
先日報道に偏りがあるよねーと書いたOECDの対日経済審査報告書の件、たぶんその原因がわかりました。

というのも、アンヘル・グリアOECD事務総長の日本記者クラブでの発言が、ご覧いただければわかるように、デフレ、日銀や金融政策について一言も触れてないんです。

各社の報道はこれに引き摺られた感があります。要するに新聞社は(やっぱり無能であるのは確かだけれども)悪気はなかったみたい。

ということで、僕の疑問は何故事務総長が金融政策等について何も触れなかったのか、という点に移ったわけですけども。

事務総長閣下におかれては、日銀総裁選出のごたごたのふいんき(何故か変換できない)を察知して空気でも読まれたのでしょうか。それとも内閣府財務省あたりが事前に根回しでもしtうわ何をするやm(略)。陰謀論はほどほどに。


2.
sarutoruさんが別の観点から報道の偏りについて書かれていたのでここからTB。


3.
ついでに要旨日本語版PDFのブクマの超訳がスバラシイのでリンク。

ryozo18さんの「日銀は相当に問題のある組織」に一票

http://d.hatena.ne.jp/ryozo18/20080410

せっかく民主的でない組織として存在しているのに、世間から叩かれるか褒められるかを気にする中央銀行って一体なんなんでしょうかねー。もう本当に、何のための独立性かと小一時間ですよ。

最高裁判所裁判官と同様、日銀総裁も国民審査でもしてあげた方が楽になるんですかねえ。

ってまあそんなことしたら今までの路線継承どころかもっと悪くなる悪寒がするので(笑)、ここはひとつ、せっかく日銀法改正の機運が高まっているようですから(下記記事引用ご参照)、Baatarismさんご提案の「独立性」における目的と手段の分離も盛り込むよう、与党の皆さんには是非ご検討いただきたいと思います。

更についでに、先日書いたように、金融政策決定機関と日々の金融調節を行う組織を分けちゃうと、日銀の皆さまにおかれても世間の評判を気にせず日々快適にお仕事に邁進していただけるものと存じます。

って無理ですかそうですか。すみませんすみません。もう勝手にしてください。南無南無。


日銀法改正を与党が検討、衆院採決を優越

9日午前の参院本会議で、前財務省財務官の渡辺博史・一橋大教授を日銀副総裁に充てる人事案が民主党などの反対で否決されたことを受け、自民、公明両党は同日午後、国会同意に関する日銀法の規定の改正を検討するプロジェクトチームを設置する。

衆院の採決結果を参院より優越させる規定や、後任者の任命まで前任者が在任する規定を設ける案などを検討する。

自民党小坂憲次国対筆頭副委員長は記者会見で、「数の論理で否決が繰り返されると、同意人事制度の根幹を揺るがし、日本の対外信用も棄損する。(法改正は)今国会でとまでは言わないが、スピード感を持って対応する」と語った。

政府・与党は民主党の対応に激しく反発している。

町村官房長官は9日午前の記者会見で、「民主党では多くが賛成していたという報道もある。今や党内民主主義はないのかとまで言いたくなる」と述べ、民主党を厳しく批判した。

さらに、「白と言えば黒、黒と言えば白という人間関係がかの党にはあるようなので、いつまでたっても(対応を)見極められない」「誠に複雑怪奇な政党であることだけは、国民にもよくおわかりになったのではないか」とこき下ろした。

参院本会議に先立ち、自民党の伊吹幹事長は同日午前、国会内で民主党鳩山幹事長と会談し、民主党が渡辺氏の不同意を決めた理由について説明を受けた。鳩山氏は「(党内で)日銀への財務省出身者の天下りを認めないという強い意志があった」などと伝えた。

これに対し、伊吹氏は「国民のことを考えて必要な結論を出していかないと、自民、民主両党とも国民から見放される」と指摘。鳩山氏は「(与党との)対話と交渉を否定するものではない」と述べるにとどめた。

一方、民主党輿石東参院議員会長は採決後、国会内で記者団に「我々の同意できない人を繰り返し提示するのはいい加減にしてほしい」と述べた。

(2008年4月9日14時01分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080409-OYT1T00467.htm