大磯小磯(笑)

日経の某コラム。たまーにマトモな人が書いているんだけど、基本的にはトンデモの宝庫。今日のもひどい。
「1円起業に疑問符あり」って、その理由が取引先や債権者を保護しなきゃいけないから、と言うんだから笑ってしまう。
資本金ってのはある意味見せ金で、私はこれだけ突っ込んでるから会社が潰れると私も困ります、だから私を信用してお金を貸してください、って言うためのものだ。銀行の自己資本比率規制もこの考えに基いたもの。
だから、1円しか資本金が無い企業ってのは、はっきり言って全然信用ならんわけです。借りたお金踏み倒してトンズラこいても1円しか損しないわけだからね。そういうところには普通誰もお金を貸そうとしない。それでもお金を出す連中はハイリスク・ハイリターンを狙ってるわけだから、保護なんかせんでもよろしい。それが彼らのビジネスです。
取引先だって、そういう企業とは現金取引するでしょ、普通。そうじゃないところは単にリスク管理が甘いんだから、これも保護する必要ないよね。
要は、1円しか資本金を持たない企業は、高い金利を払ったり現金取引しかできなかったりと、それなりにペナルティがあるわけです。単に資本金が少なくてラッキーというだけじゃない。
ただ、そういったペナルティを払っても今起業したい、という人達はいるわけだ。これがリスクとリターンを天秤にかけるということ。リスクがあるから動かない人もいれば、リターンがあるから動く人がいる。人それぞれが、それぞれのトレードオフを考えれば良い。これは良い悪いの話ではないのです。
ところが、債権者保護のお題目で国が規制をしいて過保護になると、こういった個々人の選択肢がなくなってしまう。これを余計なお世話と言わずして何というのだろう。もういい加減、他力本願・過保護主義を唱道するのは止めてもらいたいな。